通訳案内士は狙い目の資格なのかもしれませんよ

日本には様々な国家資格がありますが、語学力が生かせる国家資格は実は一つしかありません。それが通訳案内士です。

通訳案内士というのは、簡単に言うと、外国人の観光客に有料で外国語を使ったガイドができる資格です。ご存じない方も多いかもしれませんが、この資格を持たない人が外国人相手に外国語で有料の旅行ガイドはしてはいけないのです。

とは言っても、実際にはもぐりの外国語ガイドはいるみたいですけどね。というか、資格自体を知らない人もいるようですし。

資格試験ではどんな知識が必要?

この資格を取るためには、国家試験を受験して合格する必要があります。他の多くの国家資格と同じ方法ですね。

その試験の内容ですが、大きく2つあります。

一つは外国語に関する筆記試験で、7割以上の正解をしないといけません。言語は英語、中国語、韓国語、フランス語、スペイン語、ドイツ語、イタリア語、ポルトガル語、ロシア語、タイ語の中から一つを選ぶ事ができます。

もう一つが日本に関する知識を問う試験で、「日本地理」「日本歴史」「産業・経済・政治及び文化に関する一般常識」が問われます。

要するに、日本国内の事と、外国語に関する知識を有する人を見極める試験という事です。

最初に筆記試験があり、それに合格すると、口述試験もあります。両方合格して、資格取得といことになります。

通訳案内士が足りない?

さて、この通訳案内士に関して、興味深いニュースを見つけました。NHK のサイトにあったニュースなのですが、地方では通訳案内士が足りていないというものです。1

記事の中では鹿児島の事例が取り上げられているのですが、まとまった人数の団体旅行だと鹿児島県内の通訳案内士だけではさばききれないようです。そういうときには、県外の通訳案内士に応援を頼む形になるのだとか。

このことを考慮すると、この資格を取って地方で生活するというのは、一つのモデルとして考えられそうです。もちろん、仕事の仕方次第では、大都市でのビジネスもできそうですね。

この記事の内容だけでは、どの程度足りないのかとか、将来性はどうなのかといった見極めがちょっと難しいのは事実です。でも、仕事として取り組みたいという希望が少しでもあれば、検討してみても良いのでは無いでしょうか。

興味があれば、情報収集をしてみるとよさそうです。

受験者数と合格者数

ちなみに受験者数ですが、平成26年の試験では7,290人でした。そのうち合格者数は1,658人です。

仕事としてこの資格を活かす場合、年間1,658人という人数が多いのか少ないのかというあたりが問題となるでしょう。この1,658人全員がガイドの仕事をするのなら、確かに合格者はちょっと多すぎる感じはします。

でもこの資格の場合、力試しの目的で受験する人もいるようです。あるいは旅行社に勤務する人で、実際にはガイドはしないという人もいるでしょう。

また、言語によって合格者が全然違うので、受験する言語に毎に分析してみる必要がありそうです。

合格率は非常に高い

さて、この通訳案内士試験ですが、実は合格率は非常に高いようです。なんと、「合格率は20%余り」なのだとか。2

20%の合格率と聞くと、合格率が低いと感じる人もいるかもしれません。でも、この手の有資格者だけが仕事をできるタイプの資格(いわゆる業務独占資格)としては、かなり取りやすい資格と言えるでしょう。

ちなみに、通訳案内士試験ですが、以前はもっと難しかったようです。というか、平成25年と平成26年の合格率が異様に高い状態のようです。それまでの年では、10%から15%の合格率におさまることが多かったようですね。

今後もこの傾向が続くのかどうかは分かりませんが、東京オリンピックに向けて合格者を増やしても不思議はありません。

ちなみに、言語別で一次試験の合格率を見ると、英語の合格率が一番高いようです。平成26の試験だと、33.8%の受験者が一次試験を合格しています。

逆に合格率が低いのはタイ語で、3.4%の合格率しかありません。とは言え、タイ語の場合は受験生が30人しかいないので、統計的にあまり意味が無い数字なのかもしれませんが。

英語以外は受験者数が少ない

ちなみに、受験者数としては英語が圧倒的に多いです。例えば平成26年の試験だと、英語を選択した受験者は7,290人中の5,352人もいました。ほとんど英語という印象です。

その次に多かったのが中国語で906人でした。その後、韓国語、フランス語、スペイン語と続きます。

ちなみに、一番少なかったのはタイ語で、30人しか受験者がいませんでした。ちょっと意外なところではドイツ語も少なく、78人しか受験者がいなかったようです。ドイツ語とフランス語にここまでの差があるのは、ちょっと意外です。

どの言語で受験するかは、資格取得後の仕事の内容に直結する問題です。慎重に選びたいものです。とは言え、さすがにこの資格のために1から外国語勉強するという人は、それほど多くないでしょうけどね。


まあ、概要的な部分としては、大体こんなところでしょうか。日本国内で生活し、外国語力を活かした仕事に就きたければ、調べてみる価値がある資格と言えそうですよ。

ちょっと余談:国際関係で受験者が大きく変動する

通訳案内士の統計を見ていて面白かったのは、韓国語の受験者の変動がものすごいことになっているという点です。手元にある資料で一番古いのが平成17年の試験なのですが、このときには受験者数は400人でした。

また、言語名も韓国語ではなく、朝鮮語という呼び方をしています。確かに、韓国語と呼ばれるようになったのは実は最近の話で、以前は朝鮮語と呼ぶ事の方が多かったはずです。

というのも、そもそもハングルというのは、北と分かれる前にできた言語ですからね。論理的に考えると、韓国語なんて言うのが変なのです。実際、現在の北朝鮮でもハングルが使われているわけですし。本来的には、朝鮮語またはハングルと呼ぶべきなのでしょう。

さて、韓国語での受験者数に話を戻すと、その後受験者数は増加していきます。平成20年には1,302人も受験しています。

この年には、中国語の1,593人と大差が無い受験者数でした。しかも合格者数は、韓国語203人に対して中国語200人と、中国語を上回っていたのです。

平成20年というと、まさに韓流ブームと言われていた時代ですよね。冬のソナタの日本での放送が平成15年らしいので、5年かけて韓国語学習者が増えたということなのでしょう。

その後、ご存知のように日本と韓国の関係は悪化していきます。受験者数はどんどん減っていき、平成26年には290人しか受験者がいませんでした。ピークの4分の1以下です。

ちなみに、平成17年からの韓国語出の受験者数の具体的な数字は、次のようになっています。

  • 平成17年:400人
  • 平成18年:1,115人
  • 平成19年:1,313人
  • 平成20年:1,302人
  • 平成21年:933人
  • 平成22年:793人
  • 平成23年:557人
  • 平成24年:409人
  • 平成25年:336人
  • 平成26年:290人

このように通訳案内士の受験者数は、その言葉を話す国との関係に大きく影響されるようです。当然、観光ガイドの仕事の面でも、影響は大きいでしょう。

その意味でも、どの言語を勉強するかは、非常に重要な問題となってきそうです。


  1. 足りない「通訳案内士」 日本のおもてなし改善へ
    NHK NEWSWEB 4月28日 20時22分 []
  2. もう少し正確に書くと、平成26年の受験者数と合格者数の割合を単純に計算すると、22.7%の合格率という事になります。2次試験のみの受験生などもいるので、細かい部分は分かり辛いのですけどね。 []

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