簿記という言葉を聞いたことが有る人は多いはずです。でも、簿記が何かを正確には知らないという人も、同時に多そうです。
簿記ってどんなものなのでしょうか。会計とは違うのでしょうか。簿記に関してどんな資格があるのでしょうか。
簿記とは
商品の売買や借入などの企業の経済活動を整理・記録するための手段です。とりあえずの理解としては、商売をやっている時のお金の流れを記録するのが簿記だと理解しておけば良いでしょう。もっと言ってしまうと、家計簿みたいなものだと思っても良いかもしれません。1
お金の流れを記録するということは、経理部門で特に重要な知識といえます。お金の流れが分からないと、利益が出ているのかどうかが判断できません。そして、儲かっているかどうかが判断で気無いと、いくら税金を納めれば良いかも分かりません。さらには、株主にいくら配当を払って良いかも分かりませんよね。
企業の数字を理解すると言う意味では、経理部門以外のセクションでも役に立ちます。例えば、製造・販売・営業などのセクションでも理解しておいた方が良い知識といえます。
また、コンピュータシステムの構築にも必要になる事が多いので、システム開発関連の職種でも必要になる事があります。システム開発の多くは、会計に関するシステムですからね。
簿記と会計の違い
簿記が経済活動を記録するものだというのは分かりました。それでは、会計とは何なのでしょうか。簿記と会計はセットで登場することが多い言葉ですよね。簿記とはどう関係するのでしょうか。
これを理解するために、辞書がどう定義しているかを見てみましょう。
会計:
2 金銭の収支や物品・不動産の増減など財産の変動、または損益の発生を貨幣単位によって記録・計算・整理し、管理および報告する行為。また、これに関する制度。
(デジタル大辞泉の解説)
これを見ると分かるように、会計といった場合は、記録するだけではなく管理報告するというところまで含みます。つまり簿記というのは、会計の中で記録するための手段ということになるのです。
実際、税理士や公認会計士などの会計に関する資格では、簿記は出題科目の一部として含まれています。
簿記資格の概要
簿記の能力をはかる国家資格はありません。ですから、簿記の能力を客観的に証明しようと思えば、民間の資格の取得を目指すことになります。
主要な民間資格は日本商工会議所による簿記検定(日商簿記)や簿記能力検定(全経)などがあります。
それぞれの試験は受験者のレベル別に試験科目が分かれています。具体的には、以下のようになっています。
- 試験科目
日商簿記3級・4級:商業簿記
日商簿記2級:商業簿記・工業簿記
日商簿記1級:商業簿記・工業簿記・会計学・原価計算
全経2級・3級・4級:商業簿記
全経1級:工業簿記・会計(商業簿記含む)
全経上級:商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算
資格の活かし方
日商簿記2級以上をもっていれば企業内の実務で活かす事ができるでしょう。公認会計士・税理士・中小企業診断士などの上位資格を目指すのなら1級の取得を目指しても良いでしょう。
日商簿記2級を取得していると大学受験で有利な取り扱いがされる場合もあります。経済学部・商学部などへの進学を考えている人はチェックしてみる価値があるでしょう。
- もう少し正確な定義は次のような感じです → 簿記:一定期間における経済活動を,一定の記録方法で帳簿に記録・計算・整理し,財産・資本・負債の増減を明らかにする計算制度。記入方法により単式簿記と複式簿記に分けられ,業種により商業簿記・工業簿記・銀行簿記・農業簿(大辞林 第三版) [↩]
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